きらきら星に魅せられて
そっと喋っているみんなの輪から外れ、1人でイメージトレーニングをしていた時のことだった。

「あら、本番前だというのにみんなでおしゃべり?随分と余裕なのね。そろそろ始まるわよ」

嫌味っぽくみんなに話しかける星羅ちゃん。

みんなは何も言えず唇を噛み、歯ぎしりしている。

「星羅。久しぶりだね。相変わらずお口が悪いようで」

「余計なお世話よ。谷崎アレン」

谷崎アレン.....?

なんであいつがここに.....。

「お、奈穂。こないだぶりだね」

「う、うん。そうだね」

「芽唯ちゃんは?」

「あれ?どこいった?あ、あそこにいるよ」

「へぇ.....。ってことは出るってことか」

意味ありげにそう呟くアレンの声がよく聞こえる。

私は必死に後ろを向き、拒絶の意志を示していた。

「めーいちゃん。僕はこのときを待っていたよ」

「.....」

無視だ無視。

こんなやつと関わっていたらキリがない。

「アレン」

そんなとき救世主登場。

「戻るぞ。こいつは本番前なんだ。邪魔すんな」

「惺。いたのか」

「お前を連れ戻しに来たんだよ。いい加減に紗夜を怒らせるのやめろよ」

「芽唯がさーちゃんってこと惺は知ってたんだね。てっきり知らないのかと思ってたよ」

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