きらきら星に魅せられて
「ねぇ、ちょっと本当にうるさい。そもそも他校の生徒がこんなところまで来ないで」

「他校じゃないよ。ここに転校してきたんだから」

「.....嘘でしょ。私の学校生活終わった」

「そう言わずにさ。仲良くしようよ芽唯ちゃん」

「惺くん、なんとかして」

「仕方ないな」


アレンのことは惺くんに押し付け、ササッとその場を離れる。

みんな不思議そうに見ていたけど会話の内容は聞こえていないはずだから大丈夫だよね。

もうすぐ本番。集中だ集中。


「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。この戦いで身の程知らずなことに私に対して下手などと発言をした人たちを見返していきたいと思っております。ハンデまで付けてあげたのだから感謝して欲しいですわ。それでは始めましょう。投票方法はきっと説明を受けていると思いますのでよろしいですね。私が弾く曲はショパンのエチュードより10ー12“革命”とリストの超絶技巧練習曲より第4曲“マゼッパ”です。どうぞお聴き下さい」

会場からどよめきが起こる。

この大曲2曲を弾くのはかなりの精神力と体力が必要なはずだ。

それを可能にするのが真城星羅なのだけれど。

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