きらきら星に魅せられて
星羅ちゃんの演奏はさすがとしか言いようがなかった。

力強く迫力がある華やかな星羅ちゃんらしい演奏。

2曲の難曲を見事に弾ききった。

終わった途端に汗だくになりながら肩で息をする星羅ちゃんに割れんばかりの拍手が送られたのは言うまでもない。

達成感に満ちた顔で会場にお辞儀をし、帰ってきた星羅ちゃんをみんなは呆然と見つめていた。

勝てない.....そう思うのが当然だ。

「何よその顔は。勝てないとでも思ったの?まぁ当然よね。でもやるからには最後までやりなさいよ」

「私、がんばってくるわ」

星羅ちゃんの毒舌攻撃と時雨の覚悟を決めたその声で我に返ったように顔を上げたみんな。

「時雨、がんばってね!」

「絶対勝とうね!」

口々に励ましの言葉を並べていく。

私は星羅ちゃんに1対1で勝ちたいけど、時雨にももちろんがんばってほしい。

「時雨なら大丈夫。がんばってね」

「ありがとうみんな」


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