きらきら星に魅せられて
｢みなさんこんにちは。私は.....私のためにがんばってくれるみんながいてくれて本当に嬉しかったです。この場を借りて言わせて頂きます。みんな、本当にありがとう。真城さんの演奏は素晴らしいですが、私も負けないようにがんばります。曲はショパン作曲“幻想即興曲”。この間の演奏会と同じ曲ではありますが、お聴きください｣

早くもうるっときてしまった。

奈穂も隣で目が充血している。

時雨.....っ。

がんばれ.....っ。


時雨の弾く“幻想即興曲”はこの間のただの完璧な演奏から表情のある演奏に成長していた。

主に3つの場面からなるこの曲。

最初と最後の場面は激しく、真ん中の場面は歌い上げるように、その切り替えがしっかりできていた気がする。


でもやっぱり時雨は。

星羅ちゃんのような激しさがない。

惺くんのように歌い上げることができていない。

足りないんだ。

きっとまだまだ上手くなれるよ。

だから今日は私に任せて。

< 110 / 240 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop