きらきら星に魅せられて
「あの.....真城さん、芽唯」

奈穂の声が聞こえ、振り向く私たち。

すっかりみんなのことを忘れていた。

「なんか用?勝った自慢でもしに来たの?」

「真城さん。あの.....ごめんなさい。下手.....とか言って。演奏、素晴らしかったです」

「ふん。今更?」

「ちょっと、星羅ちゃん」

「.....はぁ。わかったわよ。夜空時雨。あなたの演奏悪くないわよ。でもそんなんじゃ上にいけるわけない。せいぜい学園4位をキープできるようにがんばりなさいよ」

「4位.....?」

「だって4位でしょ?1位私、2位紗夜、3位惺だもの」

「は?ちょっと待って。私音楽科入るなんて一言も言ってない.....。それを言うなら1位星羅ちゃん、2位アレン、3位惺くんだよ」

「紗夜は入るの。これは決定事項。あぁ、でもそうね。谷崎アレンがいたこと、忘れていたわ。ならあなたは5位ね」

「私は.....もっと上に行く。いつかあなたを抜かすわ。真城星羅」

「.....なんだかあの頃の紗夜みたいね」

「どういう意味よ?」

「自惚れてるってこと」

「自惚れてたのはそっち.....んー!」

思いっきり言い返そうとしたのに手で口を塞がれてしまった。

「はいはい。負けたからと言って私は謝らないわよ。この勝負、そっちが勝ったのはこれのおかげでしょう?」

これ、と言いながらもがく私を顎で指す星羅ちゃん。

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