きらきら星に魅せられて
惺くんが指さす先には舞台袖の入口で待ち構える報道陣たちがいた。

警備員が懸命に止めている。

「どうしよう.....。あれは早く突破しないと」

「そうだな。行くぞ、紗夜」

「ごめんね、みんなはあとで来て」

「わかった」

「星羅ちゃん。行こう」

「どうせあれを抜けるために私を使うって言うんでしょ?まぁいいけど」


「森本紗夜さん、今までどこにいらっしゃったのですか?」

「なぜ突然失踪したのですか?」

「事故に遭われたという噂もありましたが、実際のところどうなのですか?」

「詳細は文書で発表致します。急いでおりますので失礼します」

それ以上質問は答えず、早々に報道陣の間をすり抜けていく。

2人が両脇にピタリとくっついてくれていたから安心だった。


「ふぅ.....。ここまで来れば大丈夫ね」

「これから大変なことになりそうだな.....」

「文書で発表するって全部言うのか?」

「うーん.....。先生のことは伏せておいた方がいいよね。事故に遭った恐怖で立ち直れなくなったとでも言おうかな」

「それがいい。報道陣もそのうち落ち着くだろう」

「そのことよ。結局何があったの?」

「実は.....」

星羅ちゃんには真実を包み隠さず、全てを話しておいた。

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