きらきら星に魅せられて
「そんくらいのことでうじうじ悩んで3年間もピアノ弾かないなんて紗夜らしくないわね」

「そんくらいのこと.....って!かなり私にとってダメージ大きかったんだから」

「まぁ確かに紗夜はいつも先生と一緒にいたイメージがあるわね」

「そうだよ。ずっとずーっと一緒だったのに.....」

あのことを思い出す度に泣き出してしまうのはどうにかしたいけど、感情をなくしていた3年間よりはずっといいと言えるのかもしれない.....。

「星羅。紗夜を泣かせるな」

「泣き虫紗夜。ほんとにすぐ泣くんだから」

「.....うぅ」

「いいじゃない。先生が目覚めるまでずっと私たちがそばにいてあげるわよ。先生が目覚めたとしてもそばにいるけれど」

「星羅ぢゃぁん.....」

「マジでこんなに星羅が優しい言葉かける人って紗夜くらいしかいないよな」

「あなただってそうでしょ?紗夜にだけは優しいんだから」

「俺は.....」

「私が気づいてないとでも思ってるの?」

「.....」

勝ち誇ったような笑みを浮かべ惺くんを見つめる星羅ちゃんと悔しそうな顔で俯く惺くん。

「.....なんのこと?」

「残念だったわね、惺。きっと先は長いわよ」

「そんなことわかってる」

2人とも私の質問には答えてくれない。

「.....?」

「さぁ、行きましょう。5限目が始まっちゃうわ」

なぜか上機嫌な星羅ちゃん。

本当にわけわかんないよ.....。

< 121 / 240 >

この作品をシェア

pagetop