きらきら星に魅せられて
惺くんが次に弾き始めた曲は.....

ショパンの“別れの曲”。

ちょっとまって、最悪。

私が弾こうと思ってたのに。

仕方ない変えよう。

ショパンのエチュードにしたいんだよなぁ。

.....よし、あの曲にしよう。


惺くんの別れの曲は最高だった。

優しい音色に温かさを含んだ音色で、歌い上げていく。

例えテンポが遅い別れの曲だとしても難易度が高いと言われるショパンのエチュード。

それをほぼ音も外すことなく、弾きあげていく。

やっぱり惺くんはこういう曲を弾いている時の方が生き生きしているようにも見える。

私は正直、ショパンって苦手なんだよな.....。

こんなこと言ったら先生に怒られちゃうけどね。


「野山さんの点数は92点。敢えて苦手な曲を選曲したのはほめるわ」

得点を聴いた惺くんは落ち込んでいるようにも見える。

そんな惺くんに声をかけるアレン。

あの2人って仲悪いように見えるけど実は仲良いんだよね。

私と星羅ちゃんみたいな?

いや、違うか。

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