きらきら星に魅せられて
次に私がお兄ちゃんと会ったのは

―――あの事故の日だ。

もちろん誰にも言ってはいないけど。

あれは事故ではない、事件だ。

飛び出した私が悪かったということで事故という名目で集結したあの事故。

私が先生の隣で泣き叫ぶ視界の端に立っていた運転手の男は紛れもなくお兄ちゃんだった。

そして私が驚いてその顔を見つめるとお兄ちゃんはニヤリと笑い、口パクでこう言ったんだ。

“ひとごろし”と。


私が中学3年間、あれほどまでに落ち込み立ち直れなくなったわけはお兄ちゃんのその言葉のせいでもある。

お兄ちゃんはきっと私を殺すつもりだった。

でも結果的にその犠牲は先生が負うことになってしまった事でお兄ちゃんはその罪を全て私になすり付けたんだ。

私に生き地獄を与えるために。


このことは全て心の中に封印してきたことだった。

誰にも言わず、1人悶々と耐えた。

だって誰かに言ったことがバレたらあの人は何をしでかすかわからないから。


なぜお兄ちゃんがここにいるの?

なぜ執拗に私に絡んでくるの?

なぜ私を苦しめるの?


.....お兄ちゃん。

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