きらきら星に魅せられて
「真城さん?あ、いたいた。出番です。準備してください」
「わかったわ。今行きます」
星羅ちゃんが行ってしまった。
もう次の次は私の出番だということ。
心の準備ができていない。
舞台に出るのが嫌で嫌でたまらない。
こんなこと初めてだ。
人殺しの私がこんなところでピアノなんて弾いてちゃだめなのに。
まだ先生は生きてるけど、私が人殺しも同然なのはわかっている。
.....そろそろ行かないと。
星羅ちゃんが弾いているラフマニノフ作曲「鐘」の重い音が私の不安を更に掻き立てる。
先生は私のことを恨んでいるかもしれない.....。
そんな考えが頭を過ぎったのは久しぶりのことだった。
頭にあるのはお兄ちゃんの言葉だけ。
私は.....私はどうすればいいの?
「森本さん。出番です」
「.....はい」
今日、弾く予定の曲は
バッハ作曲「平均律クラヴィーア曲集第一巻より第1番」
モーツァルト作曲「ピアノソナタ第18番 op.576」
ショパン作曲「練習曲10-5」
バッハの平均律とショパンの黒鍵はあの日、先生を失った日のコンクールと同じ曲。
モーツァルトのピアノソナタはこの間の実技テストで弾いた曲。
この3曲で勝負することに意味があると思ったからだ。
満席の客席にお辞儀をし、鍵盤に向かう。
そして因縁のあの曲を.....
弾き始めた。
だめだ、集中できない。
頭に浮かぶのは、先生の周りに広がる血溜まりとお兄ちゃんがニヤリと笑う顔、そして“人殺し”という言葉。
この曲を弾いたあの日、先生は.....先生は.....っ!
「♪〜〜〜っ!」
.....もう限界。
たまらず、舞台から逃げ出してしまった。
とにかく遠くへ遠くへと。
「わかったわ。今行きます」
星羅ちゃんが行ってしまった。
もう次の次は私の出番だということ。
心の準備ができていない。
舞台に出るのが嫌で嫌でたまらない。
こんなこと初めてだ。
人殺しの私がこんなところでピアノなんて弾いてちゃだめなのに。
まだ先生は生きてるけど、私が人殺しも同然なのはわかっている。
.....そろそろ行かないと。
星羅ちゃんが弾いているラフマニノフ作曲「鐘」の重い音が私の不安を更に掻き立てる。
先生は私のことを恨んでいるかもしれない.....。
そんな考えが頭を過ぎったのは久しぶりのことだった。
頭にあるのはお兄ちゃんの言葉だけ。
私は.....私はどうすればいいの?
「森本さん。出番です」
「.....はい」
今日、弾く予定の曲は
バッハ作曲「平均律クラヴィーア曲集第一巻より第1番」
モーツァルト作曲「ピアノソナタ第18番 op.576」
ショパン作曲「練習曲10-5」
バッハの平均律とショパンの黒鍵はあの日、先生を失った日のコンクールと同じ曲。
モーツァルトのピアノソナタはこの間の実技テストで弾いた曲。
この3曲で勝負することに意味があると思ったからだ。
満席の客席にお辞儀をし、鍵盤に向かう。
そして因縁のあの曲を.....
弾き始めた。
だめだ、集中できない。
頭に浮かぶのは、先生の周りに広がる血溜まりとお兄ちゃんがニヤリと笑う顔、そして“人殺し”という言葉。
この曲を弾いたあの日、先生は.....先生は.....っ!
「♪〜〜〜っ!」
.....もう限界。
たまらず、舞台から逃げ出してしまった。
とにかく遠くへ遠くへと。