きらきら星に魅せられて
今日は惺くんが出ると聞いていたから絶対に見に来たかった。

「あとちょっとなんだよ!」

はっ!今の声は惺くんの声だ。

私を待っている。

そう直感した。

このくらいならいいよね.....?

紙に殴り書きでメッセージを書き、そっと惺くんの手に握らせた。

もう振り返らないよ。

惺くんならわかってくれるはず。



「愛してる」

「愛してる」

さっきからそこでイチャイチャしてるポーランド人のことは見ないようにしていたけど、公の場でやられるとさすがに気になる。

1人は出場するコンテスタントってことでしょ?

うーん。なんとも言えない。

私、好きとか愛とか興味ないし。

そう思いながらも頭に浮かぶ1人の人物。

え?

いや、違うから。

絶対違うから.....っ。

1人で赤面したり、青くなったりしてたら隣の人に変な目で見られた。

うぅ.....。

っていうか私が恋なんてしちゃだめだもん。


突然ロビーにいた人たちが動き出した。

いよいよショパンコンクールが始まる。

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