きらきら星に魅せられて
「5番 ヘリク・マリノフスキー。ポーランド」

俺の演奏は次の次の次。

そろそろ俺も舞台袖に行くとするか。

舞台袖に行く途中にも演奏が聴こえてくる。

ヘリク・マリノフスキー。

ミスターパーフェクトと呼ばれる男。

噂には聞いていたが、想像以上だった。

こういう演奏はコンクールに強い。

なぜかというと、減点されないから。

1番のような演奏はどれだけ人を感動させたとしても必ず減点が大きい。

得点を参考に合否を決めるコンクールという舞台であの演奏が認められるかというと言うまでもない。


俺の演奏は自惚れているわけではないが、第1次審査くらいは受かる演奏だと思う。

見てろよ、紗夜。

たとえお前が見てくれていなくなっていいさ。

お前がこの世界のどこかにいるのなら。

俺はお前に俺の演奏を届けるよ。


だって俺は.....。

< 161 / 240 >

この作品をシェア

pagetop