きらきら星に魅せられて
「8番 野山惺。日本」

野山惺.....か。

ふと朝の女の子を思い出す。

あの子も日本人だったよな。

ボーッと考えごとをしていた私を野山惺の演奏が現実に引き戻した。

エチュード10ー5。

見惚れてしまうような弾き姿。

なんというか.....美しい。


そしてエチュード2曲を弾ききった野山惺。

しかし野山惺の演奏はここからと言っても過言ではなかった。

ノクターン9ー3。

優美で甘く美しい音色。

誰もが聴き惚れ、癒されていくような演奏。

最後の音の余韻が心地よく響き渡り、消え去っていったあと盛大な拍手に包まれた。


日本人では野山惺の上にもあと1人、女がいると聞いていた。

毎年日本人はマークが薄いような気もするが、今年は期待できそうだ。

「今年は例年に比べ、レベルが高い気がするな」

「.....楽しみだ」

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