きらきら星に魅せられて
「堀田郁花の再来だ」

そんな声があちこちから聞こえる。

どうすればいい?

今から私は何をすれば自分の演奏を出来る?

自分に自問してばかり。


そんなときかかってきた1本の電話は意外な人物からだった。

「もしもし」

[もしもし、紗夜?]

「惺くん?」

[そうだ。今から時間あるか?]

「うん」

[裏口から出てこい。待ってる]

「わ、わかった」

.....?

なにかあったのかな?


「惺くん!」

「.....紗夜。時間が無い。早くこっちへ」

「え?」

私の手を引いて走る惺くんに必死でついて行く。

「はぁ......はぁ.....」

「ごめんな。紗夜が報道陣に付け狙われてたんだよ」

「そうだったんだ.....。ありがとう」

「なんで急にいなくなったのか今は聞かないぞ?」

「.....うん」

「じゃあ行こう」

「どこに?」

「まだ決めてない」

「え?」

「今するべきことは練習じゃないってわかってるんだろ?」

「.....」

「それは俺も同じだ。ある人から頼まれたんだ。紗夜を連れ出すように」

「誰?」

「内緒」

謎すぎる惺くんの行動。

着いていくしかない、か。

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