きらきら星に魅せられて
「今日の通過者は.....チェン・シーハオと森本紗夜は決まりだな」

「.....今日よりも昨日の方が問題だ。お前は1番、アメリー・ニコラをどう思うかい?」

「審査員でも意見が分かれるだろうな。でも俺は面白いから第1次審査は受からせていいと思う」

「同感だ。それにあの女の演奏は.....」

きっと森本紗夜の刺激になる。

「なんだ?」

「いや、なんでもないよ。面白くなってきたな。これでこそショパンコンクールだよ」

「審査委員長がそんなんじゃ終わってるな」

「ふっ。俺を選んだやつが悪いんだ」

「やれやれ。困ったものだ」

呆れながらもいつも着いてきてくれるこいつをなんだかんだ信用してる私。

コンクールをつまらなくする審査員たちと戦うのも私のコンクールの楽しみだ。

我ながら頭がおかしいとは思っているが仕方がないだろう?

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