きらきら星に魅せられて
次の日から俺は毎日紗夜を保育園に送り届けた。

友達からなんと言われようが構わなかった。

俺を見ると、笑顔で抱っこを要求してくる紗夜が可愛くて仕方がなかったから。


1年後のある日。

その日も紗夜と手を繋ぎ、保育園に向かっていた。

「あら、可愛いお嬢さんだこと。お兄ちゃんの2人で保育園に行くの?仲良しで羨ましいわ」

「ありがとうございます」

感じの良さそうなおばさんだった。

少し不思議なオーラを纏っているような感じもしたが。

「でもこの子。気をつけた方が良さそうね」

「え?」

「私、少し人の運命というか、まぁそういうものが見えるのよ」

「紗夜は.....何かあるんですか?」

「あのね、坊や。聞いて。人はみな平等なの。だからね、恵まれている人はいつか必ずどこかでその見返りが来る。わかる?」

「.....何となくわかります」

「この子にはとてつもない才能が眠っている。きっと天性のものね」

「どんな才能なんですか.....?」

「さぁ、それは私にもわからないわ。ただこのままだとその才能が完全に開花する前に死んでしまう」

「紗夜が.....死ぬ?」

「そう」

「.....何かそれを防ぐ方法はありますか?」

「あなたよ」

「え?」

「あなたがこの子の前から姿を消し、影から守ること。それとこの子が背負うべき見返りを少なくするためにこの子にわざと辛い運命を歩ませること」

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