きらきら星に魅せられて
「そんなこと.....」

「できるわよ。この子の才能が完全に開花する予定なのは.....18才。それまであなたがこの子を影から守り、この子を傷つけるだけ」

このとき俺はまだ小学2年生。

幼い俺には重い話だった。

「まぁ考えてみるといいわ。もしあなたがこの子を守ると決めたならここに電話して。必ずサポートするわ」

「.....はい」

どうしよう.....。

「.....あのね。お母さん、お父さん」

両親にも相談したが、絶対嘘だとか言って相手にもされなかった。

俺もそれもそうだと思い、忘れていた。


紗夜の3歳の誕生日。

次の日から俺たちの生活は一変した。

キキーッ!

激しいブレーキ音。

「危ない!」

車に轢かれそうになった紗夜を慌てて抱き上げる。

最初のうちは気にしていなかった。

でも明らかにおかしくなっていた。

週に3日は命の危険に晒される紗夜。

まるで何かに呪われているのかのように。

あるときは車に轢かれそうになり、あるときは金属が落ちてきたり、あるときは通り魔に殺されそうにもなった。

それを俺は必死で守る。

そんな日々が何ヶ月も続いた。


「あのさ、お母さん、お父さん。俺、この家出ていく」

「は?何言ってるんだ」

「前、話したよね?俺も全然気にしてなかったけどやっぱりおかしいんだ。嘘だと思うなら紗夜と一緒にいればわかる」

お母さんもお父さんも疑わしげではあったもののちょうど正月休みだったため、紗夜に着いてきてくれた。

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