きらきら星に魅せられて
それから近くでは守らなくても大丈夫なくらいになった紗夜から離れ、自分の国籍であるアメリカに向かった。

将来、才能が開花する紗夜を守るため。

それと俺もピアノが好きになっていたから。

アメリカで大々的に活動を重ねた。

俺には才能があるわけではなかったが、誰よりも努力した。

.....そして今に至る。


美沙さんは何か大きなことが終わったあと.....きっと紗夜が18才の今、ショパンコンクールが終わった後、紗夜は解放されるだろうと言っていた。

ならあと少しだ。


もう少しだと言うのに俺が今、紗夜に憎しみを植え付けた理由は見返りを無くすためだけじゃない。

あいつが才能を開花する為の最後の段階だと考えたからだ。



俺が全てを犠牲にして守ったお前の才能を見せてくれよ。

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