きらきら星に魅せられて
「この世に生きる人にはね、1人1人違う運命というものが存在するの。それは誰もが平等になるように計算されている。その大まかな流れを見ることができるのが私よ」

「.....え?」

「不思議に思うかもしれないわね。でも私はそんな力を持って生まれてきた。それでね、あなたにはとても大きな“才能”を持っていた」

「才能.....?」

「そう。今日の舞台で完全に開花したあなたのピアノの才能」

私には生まれつきピアノの才能があったっていうこと.....?

「大きな才能を持つ人は見返りを求められる。そういう運命だから。あなたは本当ならもっと前に死んでいたかもしれないわ」

「ならなぜ.....?」

「慎哉があなたを守ったからよ」

そんなのって.....。

じゃあ私はずっとお兄ちゃんを悪者に仕立てあげていたってことなの?

私を守ってくれていたお兄ちゃんを。

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