きらきら星に魅せられて
「紗夜、まだ行かないのか!?」

「.....惺くん。まだあれから2分しか経ってないよ」

「そ、そうか」

「ふふっ」

つい、笑みがこぼれる。

だって面白いんだもん。



「まだか?」

「.....もういいよ。行こう」

ついに私も負けてしまった。



「野山さん、娘さんの初めてのコンクールということですが、お気持ちはいかがですか?」

はぁ.....。

まさかこんな日まで報道陣がいるなんて思わなかった。

「嬉しいです」

「今日の意気込みを教えてください」

「が、がんばります」

玲亜も質問され、オドオドしてる。

「すみません。そろそろ時間なので」

見かねた惺くんが助け舟を出し、足早にその場を去ろうとする。

慌てて私も玲亜の手を引き、惺くんの後を追った。

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