きらきら星に魅せられて
「受賞者の皆さんは舞台袖にお戻りください」

賞状とトロフィーをもらってやっと実感が湧いてきた私はただただ嬉しくて舞台袖で涙が止まらなかった。

「森本紗夜」

そんなときに後ろから名前を呼ばれ、ビクッとして後ろを振り返ると、そこには今1番話したくなかった人がいた。

「まさか私があなたに負けるとは思わなかったわ。こんなみすぼらしい格好したやつなんかに。バカにしてんでしょ、私のこと。思う存分言いたいこと言いなさいよ」

「わ、わたし.....感動しました.....。真城さんの演奏.....」

「は?」

「同い年とは思えないほど凄くて、今日はマグレでも勝てたこと不思議なくらいです.....」

「.....マグレではないと思うけど。私、あなたの演奏聴いて、生まれて初めて勝てないって思ったわ。これから先もずっとライバルになるって確信した。私が褒めるなんて滅多にないんだから、あなたは特別ってことよ」

「.....!」

「ふ、ふん。もう忘れてちょうだい」

照れ隠しみたいにそっぽを向く星羅ちゃんがなんだか可愛くて、私は吹き出してしまった。

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