きらきら星に魅せられて
「紗夜。おはよ」

「惺くん、おはよう」

傍から見れば無愛想で冷たく見える惺くん。

こんな人からあんなに優しい音が出るなんて.....って最初は思ったけど、今ならわかる。

惺くんの性格は惺くんの演奏通りだって。

「星羅ちゃんは?来てる?」

「星羅?まだ来てないと思うけど」

「この私がそんなに遅く来るわけないじゃない。紗夜は遅すぎるのよ。失格よ失格!」

「うわっ!いたの?」

「俺、全然気づかなかった」

「まぁそこの影にいたからね。じゃあ私はイメトレに戻るので。今日こそは負けないから、紗夜」

「私だって負けないもん」

怒涛の如く言いたいことだけ言って去っていった星羅ちゃん。

今考えると2人とも性格的には難ありだった.....。

そして.....

「俺は.....いつになったらそこの争いに入れるんだ.....?」

「せ、惺くんにも負けないからね?惺くんも立派なライバルだもん.....!」

「さんきゅ、紗夜.....」

いつものように落ち込む惺くんを必死に励ます私。

「あ、そろそろ時間がない。私もイメトレしないと」

「そうだな。じゃあまた後で話そう」

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