きらきら星に魅せられて
―――放課後

「失礼します」

ピアノ室に着くとまだ惺くんは来ていなかった。

「.....」

私は目の前のグランドピアノを黙って見つめる。

部屋に私とピアノだけ、そんな空間だからこそ誘惑に負けてしまいそうだった。

.....弾きたい。

無意識のうちにピアノの目の前に来ていた。

鍵盤蓋を恐る恐る開け、立ちながらポンッと鍵盤を1つ押してみる。

懐かしいその感触。

今やめないときっともう辞められなくなってしまう....。

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