きらきら星に魅せられて
「そうよ」

電車で会った時、桐花さんが先生に見えてしまったのはただ若い女の人だからってだけじゃなくて、姉妹だからだったんだ。


「紗夜さん。姉さんと話してあげて」

急に真剣な表情になり、そう言った桐花さんの言葉でやっと先生の顔をまだ見てなかったことに気づいた。

白いベッドに横たわる先生に近づき、一言一言噛み締めるように伝えていく。

「.....先生。お久しぶりです。紗夜です。本当に.....ごめんなさい。私のせいで先生をこんな目に遭わせてしまって。.....そろそろ私ちゃんと前を向きます。だから先生も早く目を覚ましてください.....っ」

泣きじゃくる私の肩にポンッと置かれた手。

なんだかそれが先生の手のように感じてしまって余計に涙が止まらなくなる。

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