夏樹と空の恋物語

 隣には血まみれの女性がいた。


 驚く力也は、女性の顔を見た。


「喜美江(きみえ)? う…嘘だろう? …」


 喜美江。

 それは力也の妻である。

 血まみれになった喜美江は、全裸で手首を切って血まみれになっている。


「ど、どうゆう事だ? これは…」


 喜美江の傍にナイフが落ちていて、ナイフも血まみれにになっている。


 テーブルの上を見ると、何か書いてある紙が置いてある。


 力也は紙を手に取った。


(疲れました。…13年前、雅さんを殺人犯に仕立て上げたのは夫の力也です。そして、協力したのは私です。ずっと海外に逃亡していましたが。もう逃げることに疲れました…)


 内容を読んで力也は呆然となった。




 
 ピピッ…ピピッ…

 力也の携帯が鳴っている。


 茫然としたまま、力也は電話に出た。

「もしもし…」

(佐久間力也さんですか? )

「はい」

(金奈警察署の山田と申しますが。匿名で、奥様が自殺しようとしていると連絡が張りまして、警察署にFAXが届いております。奥様は、いらっしゃいますか? )

「…妻は…海外にいます…」

(いえ、昨日帰国なさっています)

「はぁ? 」

(空港からご自宅に向かわれたところまで、調べはついておりますが)

 茫然としたまま力也は電話を切った。



 力なくソファーに座り、力也は死んでいる喜美江を見た。

「どうなっているんだ? これは…」


 ピピッ…。

 また力也の携帯が鳴った。



 力也が携帯を見るとメールだった。


 開いてみると…。

「な、なんだ? これは…」


 力也が開いたメールには、動画が添付されていた。


 その動画は、ソファーで力也と喜美江が絡み合っている姿が映っている。


 そして…

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