夏樹と空の恋物語
嫌われたって愛している
翌日。
空は会社を休んでいた。
あのまま寝てしまった空は、翌朝になり高熱が出てしまった。
別れのメールを出して、夏樹からの返信はなかった。
忙しくて返信ができないままなのだろうか? それとも、無言のまま受け入れたのだろうか?
高熱に魘されながら、空はそんなことを考えていた。
何もできないままずっと寝ていた空が、目を覚ましたのはお昼を過ぎた頃だった。
目を覚ました空は、とりあえずトイレに行って、歯磨きと洗面を済ませた。
熱をはかってリビングのソファーに座って、体温計で熱を測ってみると39度まで上がっていた。
フーッとため息をついて、何か食べなくてはと思った空はキッチンを見た。
しかし、そこまで歩き気力が出なかった。
今までは、雅の無実を晴らすことに気が張っていて、病気をあまりしたことがなかった空。
こんなに高熱がでたのは初めてで。
動けないほどの高熱は初めてで、空もどうしたらいいのか分からなかった。
ピンポーン。
ソファーでぐったりしていると、チャイムが鳴り、ふらふらする足取りで空はモニターを見に行った。
モニターを見ると、夏樹が映っていた。
熱で頭がボーっとしている空は、夏樹の顔を見ると胸がいっぱいになった。
ロックの施錠を解除して、ゆっくりと玄関に向かった。
ドア越しに夏樹の足音が近づいて来て、玄関のカギを開けた空。
鍵を開けると。
カチャッと、ドアノブが回る音がした。
ゆっくりと玄関が開いて、夏樹の顔が見えると。
なんだかホッとして、空はその場に座り込んでしまった。
「空さん! 大丈夫? 」
夏樹はギュッと空を抱きしめた。