夏樹と空の恋物語
幸せの扉を開けるのは自分
週明け。
空は元気になり仕事に復帰した。
空の家から一緒に出勤してきた夏樹。
2人仲良く並んで歩いてくるのを、エントランスで崎山が目撃した。
「なんで副社長と藤野山さんが一緒なの? 」
嫉妬に満ちた目で、睨むように見ている崎山。
そんな崎山に気づかず、夏樹と空はエレベーターの乗り込んだ。
いつも通りの日々が始まる。
いつものようにお昼になり、空は1人でカフェテリアでお弁当を食べていた。
すると、また、崎山が複数の女子社員を引き連れて空のところへやって来た。
「藤野山さん。ちょっといいかしら? 」
今日は一段と怒りのこもった声で、話しかけて来る崎山に、空は驚いた目を向けた。
「藤野山さん。私が前にここで、貴女に話した事覚えている? 」
「話した事とは…副社長の事ですか? 」
「なんだ、覚えているんじゃない。てっきり、物覚えが悪くて忘れているんだって思ったわ貴女、今朝、副社長と一緒だったわよね? 2人でエレベーターに乗ったところを見たの」
「はい。それが、どうかしましたか? 」
バン! と、勢いよくテーブルに手をつき、崎山は空を睨みつけた。
「前にここで言ったわよね? 私は、社長公認で副社長と付き合っているって」
「はい、聞きました」
「それを聞いていて、副社長と貴女がどうして2人きりでエレベーターに乗るの? 」
空は人きついて、お弁当をしまった。
そしてゆっくり立ち上がり、崎山をじっと見つめた。