Until the sun appears 〜 暗い世界で 〜

「やる?」

ようやく言葉を発した私。

「「「「大丈夫でーす!!!!」」」」

私が倒した男を見て怯えたのか、
最初の威勢はどこに行ったと聞きたくなるくらいに、声を揃えて逃げて言ってしまった。


しばらく路地裏を歩く。

目的はない。

ただ、来るやつ来るやつを蹴飛ばし続けた。

何人蹴ったか分からない。

でも、感覚が麻痺していくのだけはわかる。

足元がおぼつかない。

近くの自販機に背を預け、その場でしゃがみこむ。

使ったのは足だけなのに、疲れが全身に拡がっているよう。

息を整え、壁にもたれかかりながら
立ち上がったその時だった。

「…てめぇ何者だ?」

地面を這うかのような、ドス黒い声が頭上で聞こえた。
< 3 / 17 >

この作品をシェア

pagetop