Until the sun appears 〜 暗い世界で 〜
「やる?」
ようやく言葉を発した私。
「「「「大丈夫でーす!!!!」」」」
私が倒した男を見て怯えたのか、
最初の威勢はどこに行ったと聞きたくなるくらいに、声を揃えて逃げて言ってしまった。
しばらく路地裏を歩く。
目的はない。
ただ、来るやつ来るやつを蹴飛ばし続けた。
何人蹴ったか分からない。
でも、感覚が麻痺していくのだけはわかる。
足元がおぼつかない。
近くの自販機に背を預け、その場でしゃがみこむ。
使ったのは足だけなのに、疲れが全身に拡がっているよう。
息を整え、壁にもたれかかりながら
立ち上がったその時だった。
「…てめぇ何者だ?」
地面を這うかのような、ドス黒い声が頭上で聞こえた。