Until the sun appears 〜 暗い世界で 〜

「…意味のない喧嘩は嫌いだ」

そう言って相手は、私の手を振り解き、ガードしていた腕も下げた。

「…また来いよ。次の相手は俺だ。」

そう言い残すと、相手は去ってしまった。

なんだったんだろうか。

でもわかるのは、


ーーあいつは強い。

そして、圧倒的オーラ。

拳を握りしめて喧嘩したのは久々だ。

明日来るのはやめておこう。

「…もう1年か」

そう呟いた時、被っていたフードが頭から離れた。

その瞬間、視線を感じた。

視線の感じた方に目を向ける。

気のせいか…。

そう思い、フードを被り直して、
来た道を引き返した。
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