鬼の目にも慕情
「馴れ初め…。どうでしたかね…。
あ、そうだ。思い出しました。
その日も、いつものようにお店に来てくれたんですよ。けど、ちょうどその日、パフェに使うバニラアイスを切らしてたんですよ。マスターが説明してたら、席につくことなく、すぐにまた後日来ますって言って帰ろうとしてたんですよ。それ見てたらなんだか悪くなって。後ろ姿が、あまりにも切なく思えたんですよ。

それで…、思い出したんです。
家にパフェの材料があったなーって。だから招いて、そこから仲良くなって…、今に至りますね」

最後のところ!
さらっと流したけど、最後のところめちゃめちゃ重要!
「八城さんの方から家に誘ったんですか!?」
「はい。材料を店まで持ってくるのは大変ですからね。時間もかかりますし」
そういう問題?
男を家にあげるのに抵抗ないのかこの人は!
「あはは。その大胆さには柿原もヒヤヒヤしただろうね」

まぁ、この言い方だと、家に行ったからって何もなかってことなのかな。
柿原隊長もその辺はしっかりしてそうだし。
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