鬼の目にも慕情
それにしても、こんな素敵な女性が自分の為にわざわざパフェを作ってくれるとなったら惚れない訳ないよな。この絶好のチャンスを柿原隊長はきっちりものにしたってことか。
「じゃあ、その一軒があってから柿原は八城さんに懐きだしたのか」
「懐いてる?」
懐いてるって言ったら、あれだな。
今、一瞬、尻尾を振って飼い主のもとへ駆け寄っていく大型犬が浮かんだ。大型犬の柿原隊長と、わしゃわしゃと撫でる八城さん。すっげーかわいいじゃん。

でも、もし他の犬がボールを咥えて八城さんのもとへ遊びに来た日には…。その犬は二度と遊べなくされしまうだろうな。ホラーだな。
柿原隊長、嫉妬心とか半端 無さそうだもん。今こうして俺が八城さんと話してることを知られたら…。

「ここだけの話、翔太さんって意外とロマンチストなんですよ。初めて一緒に出掛けたときに、サボテンを買ったんですよ。小さくて、部屋に飾れるような。
花が咲いたら願いが叶うって書いてあって、大事に育ててるんです」
柿原隊長がサボテン?こまめに水やりなんかしてんのか?
うーん。駄目だ。1ミリも想像できない。
「可愛い所もあるんですよ」
ロマンチストで可愛い男。そんな肩書を聞いて出てきたのが柿原隊長だったらもはや詐欺。訴えられるぞ。
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