鬼の目にも慕情
「へぇ…、そんな一面があるんですね。職場では見ないですけど」
というか、見せられても反応に困る。
でも、そんな一面に八城さんが魅力を感じたことには間違いない。
「とにかく、ギャップってことですね!」
「はい!良いと思います!」
「俺のギャップって何ですかね?八城さんからはどういう風に見えます?」
そう。ギャップがある男がモテるっていうのはどこの雑誌にも書いてある。でも上手く活かしきれない男が多いのは、自分の事をどう見られているかわからないから。
社会人になった俺は一味違う。まずは自分の印象の分析から始めようじゃないか。
これで明日からモテること間違いない。すぐに彼女もできちゃったりして。

「小澤君は…、かわいい系かな。弟っぽいかんじ?」
「弟ですか!たしかに、そういう風に言われること多いです。ってことは、意外とワイルドなところとか見せればいいってことですかね?
ワイルドって、何したらいいんだろう。ジャングルに行くとか…?」
「そんな仕事は回ってこないぞ」
「ですよね」
ギャップを創り出すっていうのも案外難しいな。でもこんなところで躓いてはいられない。だって明日からモテモテな日々を送るんだから。
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