鬼の目にも慕情
「サボテン…」
「あ?」
やっべ。つい心の声が漏れてしまった。
サボテンを育ててるっていう柿原隊長の姿が気になりすぎて。
「いやー…、そこに植物あるの見て、家で何か育ててみようかなって思っただけです」
「仕事中に考えることかよ、それ。いい加減にしろ」
「でも、単純作業中続けてると眠くなるじゃないですか。こういう会話も大事かと思いまして。柿原隊長は家で花とか育ててたりしないんですか?」
「は?」
うわ、俺なに口答えしてるんだ。命だけは…、この通り!
「そんなもんに時間割いてる暇があるか」
「ですよね」
はい、嘘ついたー!
聞きましたか皆さん?今この人、嘘つきましたよー。
初デートで買ったサボテンを大事に大事に育ててるくせに、いや、特にはって言いました!こっちには八城さん、つまりあなたの嫁という最強の証人がいるんですよ!
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