鬼の目にも慕情
部屋に連れて来られた男性。
たぶん、柿原隊長よりも若くて、俺よりも年上。20代半ばってところだろうか。金髪ってところで、いかにも悪いことをしでかしそうに見えるけど、俺は見た目で人を判断したくない!
案外柿原隊長も、外見で彼が犯人だなんて言ってるんじゃないのか?
「すぐに警察が来るそうだ」
「ですから、俺は何も知りませんって!俺をどうしようっていうんですか」
「それは警察相手に言えばいいだろ」
断固として態度を緩めない柿原隊長に、どんどん金髪の男性がイライラしていくのがわかった。
「ったくなんなんだよ、早くここから解放しろって言ってんだよ!」
ついに口調が荒くなった。それじゃ、いかにもじゃないか。犯人っぽいぞ。
やめとけ。

「携帯の送信履歴を調べたら、すぐに脅迫メールが見つかるはずだ。
削除したって復元くらいすぐにできるんだよ。
それとも、今日この会場でばら撒くつもりだったネガティブキャンペーンのチラシが出てくる方が先か?」
「え?なんですか、それ」
爆破予告をして、この講演会を中止に追い込みたかっただけなんじゃないのか?
ネガティブキャンペーンって、どういうこと?
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