鬼の目にも慕情
「相変わらず鈍いな。
こいつは、対象が爆破予告があったくらいで講演を中止にしないことくらいわかってた。だから、それを逆手に取ったんだ。
爆破予告がされたにも関わらず、その会場で講演会を続行させた。
そのことを参加者に知らしめたらどうなる?」
「一気に信用がなくなります」
「あぁ。そして反対勢力の勢いが増すってシナリオだ。そういう目的だったんだろ?」
まさか、本当に…?
「うっせーな!
知らねえっつってんだろ!」
目の前にあった机を思い切り蹴飛ばした男性。かなりの力だったのか、部屋の端まで机が飛ぶ。
え…、こんなまじな抵抗してくるのかよ。
こっわ。
「さっきからなんなんだよ、お前ら!」
輩だ。
敬語は完全に消え失せた。
そんな男性がまず向かったのは柿原隊長のところ。
あー。やめておけばいいものを。
俺だったら100万円積まれても柿原隊長に向かっていくなんて命知らずなことやりたくない。
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