鬼の目にも慕情
まぁ、決して嫌なわけじゃないけど。
というか、やめてほしくないけど。
ついついソファーで寝てしまった夜も、翌日になったら温かいベッドで目を覚ます。その時にはすでに翔太さんは出勤した後のことがほとんどだけど、自分がそこで起きてることに、翔太さんの存在を感じる。
おはようって言葉を交わせなくても、一緒に住んでるって感じられるその時間が好きだったりする。
でも、こうして朝から一緒にいられる時間を感じてしまうと、やっぱりずっといて欲しと願ってしまう。
翔太さんも、そんなふうに思ってくれてたりするのかな…。
あれ?
なんでそんなに眉間に深く皺が寄ってるの?
新聞に何か深刻な内容でも書いてあった?
そんなに熱心に新聞を見つめてたら、穴空いちゃうよ?
そこまで怖い顔をしなくてもいいじゃん。
それじゃまるで、紙面に載ってる犯人よりも怖い顔になってしまう。
「ねぇ、翔太さん…、そんな顔してたら、新人さんたちから怖がられるんじゃない?」
眉間を指で突いてみるよ、ぴくっと眉が動いた。