鬼の目にも慕情

お恥ずかしい。
いや、これは観察眼を鍛えてるってことにしよう。
休日でも、気を緩めることなく観察を…。
「食べ物を扱うから嵌めてないんだってさ。ちゃんとしてるよな」
「そういうことですか。
榊副隊長は…、彼女目当てで来てるんじゃないってことですか?」
「俺をなんだと思ってんのさ。単純にここのコーヒーを飲みに来てるんだよ。良い豆を仕入れてくれるし、マスターや八城さんのコーヒーの知識が豊富で、あれこれ教えてもらえるからね」
そんなこと言いつつ、本当は…。
だって、榊副隊長はいっつも…。
朝起きてコーヒー。食後のコーヒー。仕事中も空き時間があればコーヒー。いつも持ち歩いてるボトルの中ももちろんコーヒー。
ただの、カフェイン中毒者だな。疑うまでもなかった。
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