鬼の目にも慕情
「知られたっていいじゃん。俺は、小澤には知っておいてもらった方が良いと思うから連れて行ったんだけど。
まぁ、苗字も違うから全く気付く気配はなかったけどね。

大体、柿原はなんでもかんでも秘密にしすぎなんだよ。
八城さんにだってまだ自分の所属先黙ったままなんだろ?
心配かけたくないから秘密にしておきたいって、親バカならぬ夫バカだね。

でも、そこまでしてばれないようにしたいなら、ペアの相手には協力を頼んでおいた方が良いんじゃないか?
秘密が漏れるのは、身近な相手からだぞ」

「どの口が言ってんだ。
それもこれもお前が由乃と小澤を接触させたのからだろ。
話したところで、小澤が上手くやれると思ってんのか?」

「それは柿原の教育次第だ」
面倒なこと押し付けやがって。
仕事の他にもあいつを教育しなきゃなんねーのかよ。

「とにかくタイミング見て、小澤にちゃんと話しなよ。結婚の事」
本気か?
でも、榊のせいで、すでに由乃と小澤はとは面識を持っている。
由乃のことだから、きっとこれからどんどん小澤と仲良くなっていくんだろうな。
だったら、小澤の口から俺の仕事内容が漏れる可能性はかなり高い。
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