鬼の目にも慕情

まただ。
こうやって同期がニヤつきながら俺に近づいてくるときにはろくなことが無い。

「さっき、柿原隊長がお前の事探しに来てたぞ」
ほら。でたよ、またあの謎の呼び出し。
柿原隊長は何を考えてるんだろうな。
少し歩いたら、また同じような顔をした同期。
「あ、小澤、さっき柿原隊長が呼んでたぞ」
知ってるよ。さっき聞いたってば。
それで、柿原隊長は…。
「柿原隊長から呼び出しあったぞ」
「お前、また柿原隊長に叱られるようなことやらかしたのか?」
「いよいよクビか?」
「だー!わかったよ!
柿原隊長のところに行けばいいんだろ!」
丁度いいじゃないか。俺も聞きたいことがあるんだ。

柿原隊長が俺の事を追ってるなら、待ち構えてやる。
逃げようと思ったって、どうせ俺なんかじゃあの人からは一生逃げられないだろうし!
地獄の果てまで追いかけてくるんだろ!
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