鬼の目にも慕情

「でも、なんでこの奥さん、ホテルについて行っちゃったの？」
「さぁ…。
旦那に不満でもあったんじゃないの？
もともとこの男に顔はタイプだって言ってたし？
必然の展開っていうかさ」
「じゃあ、もしかしたら明日の同窓会で誰かがそんなことになるかもしんないの？
え、どうしよう。私、見て見ぬふりできるかな？」
「見たら止めなよ」
「たしかに、そうだね」
心配！
俺がバックについておきながら由乃を誘い出そうとする不届き者は完全に成敗してやるとして。
それでも隙をつこうとしてくる馬鹿がいたら…。由乃はきっぱり断りきれるのか？
…、なんとも微妙なところだな。
明日、どうやって休もう。
無断欠勤でもしてやるかな。

仕事はできないけど、とりあえず小澤がいる。
榊だって、上手く回すだろうから心配ないだろ。
今から俺も準備を…！