鬼の目にも慕情
”あー…、その、榊副隊長”
無線から小澤の気まずそうな声が聞こえてきた。
嫌な予感がする。
“警察だけじゃなくて、救急車も必要になりそうです。
男が抵抗して逃げようとしたんですけど、柿原隊長がしつこく追いかけて…。しかも、男が刃物持ってて…」
刃物だと?
まさか怪我でもしたか?
“俺の前で浮気してんじゃねーよって、静かに殴ってます。夫の代わりだとか言って。
相手の男、気失ってますね。
刃物は、もう手放してます”
お前が怪我させてんのかよ。手のかかる同期を持つと何かと仕事が増えるな。
「そうか。
刃物はすぐに回収しろ。柿原が使いだす前にな。
救急車も手配しておく。相手が抵抗して暴れたことによる負傷。こちらからは手を出していない。そういうことにしておこう」
“い、いいんですか。俺、知りませんよ”
“小澤!突っ立ってねーでこっち手伝え!”
向こうでは、小澤を怒鳴っている柿原の声が聞こえる。
やっぱ、今日はいつにも増して荒れてるな。
無線から小澤の気まずそうな声が聞こえてきた。
嫌な予感がする。
“警察だけじゃなくて、救急車も必要になりそうです。
男が抵抗して逃げようとしたんですけど、柿原隊長がしつこく追いかけて…。しかも、男が刃物持ってて…」
刃物だと?
まさか怪我でもしたか?
“俺の前で浮気してんじゃねーよって、静かに殴ってます。夫の代わりだとか言って。
相手の男、気失ってますね。
刃物は、もう手放してます”
お前が怪我させてんのかよ。手のかかる同期を持つと何かと仕事が増えるな。
「そうか。
刃物はすぐに回収しろ。柿原が使いだす前にな。
救急車も手配しておく。相手が抵抗して暴れたことによる負傷。こちらからは手を出していない。そういうことにしておこう」
“い、いいんですか。俺、知りませんよ”
“小澤!突っ立ってねーでこっち手伝え!”
向こうでは、小澤を怒鳴っている柿原の声が聞こえる。
やっぱ、今日はいつにも増して荒れてるな。