鬼の目にも慕情
ただただ発信音が流れるだけ。
あー、駄目だ。全然繋がんない。
出鼻を挫いてくるなー。
電話しても出ない。会社にもいない。
柿原隊長、もう帰ったのか?早くない?
八城さんは家にいないっていうのに。
「失礼します。榊副隊長、柿原隊長知りません、か…、って」
いた!
こんなところにいたのか!
なにやら重たい空気。でもいいや!

「柿原隊長探しましたよ!
何があったか知りませんけど、早く八城さんに謝ってください!それで早く戻ってきてもらってください!」
しまった。勢いだけで何を言えばいいのか考えてなかった。
ブレーキ効かなくてめちゃくちゃストレートに言っちゃった。
「あ?」
「わー、小澤。ついに怖いものなくなったか?」
うわ!
なんか、すっごい勢いで柿原隊長が迫ってくるんですけど…。
いつの間にか、胸ぐら掴まれてるんですけど。助けて、榊副隊長。何笑ってるんですか。
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