鬼の目にも慕情
で、なんでまた朝から柿原隊長に呼び出し食らってんだ?
八城さんはもう帰ってきて、機嫌もなおったはずなのに。
また俺何かしでかしたか?

目の前の柿原隊長は相変わらず眉間に深い皺を作ってる。
最早これくらいでは何とも思わなくなってきた。俺の中の危機察知能力が麻痺してきてる。
「これ、お前に渡しておくように言われた。

ったく、榊ならともかく、なんでお前にまで。
お土産選ぶのが楽しかったなんて言ってたし。
こんなことならやっぱりついて行くんだった」

ん?
なんかブツブツ言ってるけど、ここはツッコむべきなのか?

「とにかく、ありがたく受け取れよ…、由乃からだ」
下の名前で呼んだー!
八城さんがお土産をくれたってことはもちろん嬉しいんだけど、その嬉しさをしのぐ衝撃が走ってる。
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