鬼の目にも慕情

なんだよ。そんなにモテるような男なのか、こいつは。そうは見えないんだけど。やべー奴のオーラがんがん出てるし、できれば近寄りたくないよな。
全部妄想でしたなんてオチはやめてくれよな。

あ、でも金は持ってんのか。
親が金持ちっていいよなー…。
小さいころからチヤホヤされてきたのかな。
美味しいものとか、いっぱい知ってんだろうな。
俺の月給すら、1晩で使ってたり…。
「では、そろそろ大学に向かいましょう」
危ない。
余計なこと考えたら負けだ。
俺は俺のままできっといいんだよ。
「あ、待って待って。その前に寄りたいところがあるんだけど。そこ寄ったら大学行くから」
「そこに寄ったら大学に行くんですね。わかりました」
とにかく昼までにこの男を大学に連れて行ってとある講義を受けさせれば良い。
目的はそこだ。
< 92 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop