鬼の目にも慕情


…。柿原隊長の手には携帯。その画面には位置情報を閉める矢印が見える。まさか、GPS!?
その矢印の場所にいるのってもしかして。
「ったく、誰の許可とって俺の時間を無駄にしてくれてんだよ、お前らは」
お前らって、その犯人の中に俺も入ってるんですね。そうですよね、すいません。
彼も、まさかGPSで居場所を特定されるなんて思ってないだろうな。

「柿原隊長…、ここは…」
GPSが示す場所にはすぐに到着できた。
でも、なんとも居心地の悪いこと。
「お前行って来い」
「俺がですか!?」
「当たり前だろ。お前がバカ息子を逃がしたからこんなことになってんだ。つべこべ言わずに行け!」
「は、はい!」
こんな昼間っから1人でラブホテルに入る男…。もし誰かに見られでもしたら一生からかわれる。天海には一番見られたくないな。
どこかで見てたりしないだろうな?
って、柿原隊長が睨んでる。
「早く入れ」って言ってる。まじかよ。
…行くしかないか。
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