鬼の目にも慕情
ここが対象のいる部屋。
さっきから辺りが気になって仕方ない。
とりあえず…。
コンコンコン。
ノックしてみるも反応なし、か。
ったく、いつまでもこうしている訳にはいかないな。

「え…、何してんの、あの人」
「彼女に締め出されたんじゃね?」

ほら!
変な目で見られてるから!
別に俺はここに来たくて来てるんじゃないんだよ。
そんな目で見ないでくれ。
ラブホの中ですれ違う時ほど気まずい瞬間ってないな。

早く出て来い!
ドンドンと、手が痛くなるくらい強く叩いてみる。
こっちは最悪蹴破る覚悟なんだよ。
柿原隊長をこれ以上怒らせるくらいなら、扉の一つや二つ、犠牲になってもらう。
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