鬼の目にも慕情

「残念ながら、彼が通ってるのは医学部ですらありませんよ。留年間近の遊び呆けた大学生です。親が金持ちなことは間違いないそうですが」
これくらいバラしてやってもいいだろう。
余計なことを言うなと騒いでるけど、俺は知ったこっちゃない。好きなだけ騒いでればいい。
真実を知った女性は怒り心頭だ。
「騙したの!?サイテー!誰があんたなんか相手にするか!」
部屋に一緒にいた女性は、鞄で対象の股間を一撃。

はっ。
い、痛そう…。
思わず背中が丸まりそうになる。

思いっきり攻撃を受けた対象は、小さくうずくまって、声にならない声を出して痛みに耐えてる。さすがに同情するぞ。
でも、これくらいで勘弁してくれた女性に感謝すべきだな。

よし。これでもう思い残すことも何もないだろう。早く柿原隊長のところに戻らないと。
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