コーヒーのお味はいかが?
医者である3人は、モニターを見て気づいたのだろう。

それから誰も口を開くことなく、やっと呼吸しているお母さんの姿をただ目に焼き付ける。

一呼吸、一呼吸がゆっくりで、今にも止まりそうだ。


「母さん」


慌ただしく、やっと煌樹がやってくる。

そんな煌樹を待っていたかのように、お母さんはその後すぐ息を引き取った。


「お体を綺麗にしますので、ナースステーションのベンチでお待ちください」


そうスタッフに促され、あたし達は言われるがまま場所を移す。

泣きじゃくる笑里に、まだ信じられないとでも言う顔をする煌樹。

ただ漠然と外を眺める明都に、相変わらず何を考えてるかわからない歩稀。

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