コーヒーのお味はいかが?
「正気?」

「少なくとも藤島は、笑里を裏切るようなことはしないんじゃないかな?」


笑里は何かを考えているのか、口を閉ざす。

そして、ベッドに倒れ込む。


「結可まで、そんなこと言わないでよ」


聞き漏らしそうな声で、笑里は言う。


「藤島はないって、ずっと否定し続けてきたのに・・・」


藤島と、何かあったのだろう。

笑里の様子を見て、何となく悟る。

藤島は、全く笑里のタイプじゃない。

だけど藤島を意識せざる終えない状況に、笑里は陥っている。

それは決して悪いことじゃないし、間違いでもないと思う。

でも、笑里は気持ちの変化を認めたくないんだ。

認めてしまったら、戻れないから・・・

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