コーヒーのお味はいかが?
「店長。こないだは、無理なお願いを聞き入れてくれて、ありがとうございました」


あたしは出勤するなり、店長に深々と頭を下げる。


「おはよう、結可ちゃん。全然、気にしなくて良いよ」

「これ、少しですけど。皆さんで」


そう言って、地元のお土産を店長に渡す。


「気を遣わせて、ごめんね。ありがたく、みんなでご馳走になるよ」

「はい」

「なんか、結可ちゃん。凄く、良い顔してる。何か、吹っ切れた?」


鋭い店長の言葉に、あたしは苦笑いを零す。


「あたし、難しく考え過ぎてたみたいです。色々と」

「真面目だからね、結可ちゃんは。でも、だからこそ、スタッフからも患者さんからも頼りにされてたんじゃない?」

「え?」


店長の言葉に、あたしは首を傾げた。


< 38 / 130 >

この作品をシェア

pagetop